保護者から信頼される7つの会話術

入塾生の保護者から絶大なる信頼を得ることができていますか。

少子化の影響で過保護な親がいたり、少々のことでも文句をつけてくるモンスターペアレンツがいたりするかもしれません。

しかし、やや癖のある保護者であっても信頼を勝ち取ることは可能です。

深い信頼関係を築くことで、保護者の方に「この塾に子どもを通わせてよかった」と思ってもらえるでなく、「この塾は子どもたちや保護者のことを本当に思ってくれているから、ぜひママ友にも勧めたい」と勝手に宣伝してくれる可能性も秘めています。

それこそが自然と生徒が集まる学習塾経営の土台になります。

話し方も重要ですが、信頼構築には効果的な聴き方の習得も欠かせない要素です。

そこで今回は「保護者から信頼される7つの会話術」についてご紹介します。

1.アイコンタクトをとって話を聴く

入塾生の保護者と話をするときに、目線を合わせていますか。

目線を合わせて会話をすることに抵抗感を示す方もいます。

しかし目を合わせずに話を聴いていては、不信感につながります。

なぜならアイコンタクトが不足してしていると「この人は本当に聴いてくれているの?」と心配な気持ちや不安な気持ちを掻き立て、目を見て話せない理由があるとの憶測が働きかねないからです。

ご自身の経験を振り返っていただきたいのですが、人との会話においてどのようなシーンで目を合わせないようにしていましたか。

たいていの場合、興味がないときや面倒なとき、後ろめたいことがあるときや嘘をついているときでしょう。

もちろん、極度の恥ずかしがり屋や目線を合わせることが苦手な人もいます。

けれどもアイコンタクトが極端に少ないことで、「何か隠し事があるのか」「私の話に興味がないのかしら」などの憶測を生みかねません。

保護者と話をする際には、目を見て聴くようにしましょう。

どうしてもアイコンタクトを取ることに抵抗がある方は、目を見て話すのではなく眉や眉間に目線を当てて話すことをおすすめします。

眉や眉間は眼からほとんど離れていません。

眉や眉間を見て聴いていれば、たいていの場合「目を見て話を聴いている」ように映ります。

その上で、聴き手も目を直視しなくて済むため心理的な負担が軽減されます。

目を見て話すことが恥ずかしいのなら、眉や眉間を見て聴くようにしましょう。

2.あいづちを打つ

保護者の話を聴くときに「あいづち」を打っていますか。

女性は井戸端会議も得意なため、会話の節目節目で「うん、うん」「そうなんですね」とあいづちを打つことに慣れています。

それは女性社会において共感し合うことが大事な価値観の1つだからです。

一方で、男性は情報伝達に重きを置かれやすく、共感の優先度は女性ほど高くないケースもあります。

しかし保護者と話す際には、たいていには入塾生の母親と話すことになります。

あなたが男性であってっも、会話の中で「共感」は求められます。

会話の区切りのところで「うん、うん」「そうなんですね」「大変でしたね」「よかったですね」など、短くても良いのであいづちを打つようにしましょう。

それだけで「ちゃんと話を聴いてくれる」との印象を与えられます。

3.会話のペースを合わせる

保護者の会話をするときに、ゆっくりしたペースで話が進みますか。

それともアップテンポでしょうか。

なるべく保護者が聞き取りやすいように、相手がアップテンポの話し方であってもゆっくり話すように意識している方もいると思います。

けれどもその会話のしかたの場合には、改善が必要かもしれません。

保護者から信頼を勝ち得るために、保護者の会話のペースに合わせた会話を心がけることが肝心です。

早口で話す保護者の場合には、やや早めアップテンポで言葉を伝え返した方が相手は心地よさを感じます。

反対に、落ち着いた保護者でゆっくり話す方との会話ではいつもよりも会話のスピードを落とし、ゆっくり会話をすることです。

これを心理学では「ペーシング」といいます。

会話のペースが合うことで「話しやすい人だ」「もっと話していたい」と感じ、こころの距離感がぐっと縮まります。

日頃から会話のペースを気をつけ、「この人なら話を聴いてくれる」との信頼を得ることで、子どものことで困りごとが生じた際にすぐに相談できる関係性の構築ができます。

なるべく相手の会話のペースに合わせるように気をつけましょう。

今まで会話のペースに気をつけたことがない方は、まず相手の呼吸のペースに意識した会話をするようにしてみてください。

なお、ペーシングはテンポだけなく、声の抑揚、声の大きさなども含みます。

声の抑揚がハッキリしている保護者との会話においては、会話の際に声の抑揚をふだんよりもはっきりつける方が効果的です。

声の大きさにおいても同じことが言えます。

声が小さめの保護者に対し、大きめな声で話すとビックリされたり、威圧的だと捉えたりしかねません。

反対に声が大きい保護者と話すときに声が小さいと自信がない講師だと思われたり、ぼそぼそ話していて子どもを預けるのに不安だと感じる恐れもあります。

会話の際にはテンポや抑揚、声の大きさなども話をする保護者と合わせるように心がけましょう。

ただし、保護者の感情が高ぶっているときやクレームに近い状態のときには、会話の冒頭だけ会話のペースを合わせて、徐々に自身の呼吸を深くして、ゆったり話し合える状態に誘導していくと良いでしょう。

会話のペースを日頃から意識していると、相手のペースも工夫次第で変えることも可能です。

4.真正面で向き合った話をしない

保護者の方と話をするときに、どのような姿勢で会話をしていますか。

おそらく多くの講師の方は、向き合って真正面から話すシーンが多いかと思います。

しかし真正面で向かいあった話し方は、常に目線が合うため一種の緊張感を生みます。

角度の心理をご存知でしょうか。

真正面から向き合った話し方は180度です。

180度は交渉の角度です。

オフィシャルな関係性で付き合いたい相手や立場の違いを明確にしたい場合に有効な角度になります。

たとえば面接の際には面接官と受験生が180度で向き合い、お互いの異なる立場を明確にしたうえで話します。

人材採用や受験などのときには良いのですが、親密になりたい相手と話す際にはあまり向いていません。

保護者と信頼関係を築きたいのなら、おすすめの角度は90度もしくは0度の角度です。

まだ入塾したばかりの生徒の保護者や入塾を検討している保護者と話す場合には、90度の角度が良いでしょう。

90度の角度は相手の目を見て話すことできますが、自然と相手の目線を外すことができます。

お互いの緊張感が発生しづらく、「話しやすい」「緊張しないで話せる」などの感情を覚えてくれます。

ある程度の面識がある場合や距離感をぐっと縮めたいときには、0度の角度は隣り合った状態で話す場合です。

立ち話のときに話しやすい角度です。

0度の場合には、意識しないと目線を合わせることがないので気が楽になるメリットがあります。

同時に、0度の角度は共通の目的を一緒に成し遂げる際にも効果を発揮します。

塾の面談室・教室のレイアウトから考えると、初対面の保護者と90度や0度面談はあまり現実的ではありませんが、たとえば入塾生がつまづいているポイントを個別に教える際に、入塾生の隣に来て指導する際には0度の角度になっています。

「問題を理解する」「問題をクリアする」などの共通の目的に向かって、一緒に進んでいるという一体感も芽生えやすくなります。

5.前のめりの姿勢で聴く

保護者と話をする際に、反り返ってえばるように話す方はいないものです。

一方で、前のめりの姿勢で会話をする講師も少ないのではないでしょうか。

日頃から授業の準備や入塾生への質問対応などさまざまな業務を抱えている講師にとって、時間がないように感じることも多いところがあります。

その際に保護者からの質問や雑談に対して、前のめりの姿勢で聴くことは心がけない限りは厳しいところがあるでしょう。

だからこそ、他の塾との差別化も含めて保護者と会話をする際にはやや前のめりの姿勢で聴くようにすることをおすすめします。

前のめりの姿勢は「あなたの話に興味があります」「あなたのことを大事だと思っています」などのメッセージ性を含んでいます。

興味がないと態度を取る相手と、興味があるという態度を取る相手、どちらが信頼できるでしょうか。

ほとんどの人が後者でしょう。

それならば、あなた自身が後者の態度を日頃から取るようにすることが必要です。

まずは信頼を勝ち得るために、保護者が話をする際にやや前のめりで聞くように心がけてください。

あまりオーバーに前のめりの姿勢を取ってしまうと、保護者のパーソナルスペース内に入ってしまい、かえって警戒されます。

パーソナルスペース内に入ってしまったかどうかは、保護者の顔が引きつったり、体が強張ったり、後ろに下がったりなどの行動で現れます。

その場合には前のめりすぎています。

「ふだんよりも半歩前で聴く」「ふだんよりもほんの少し前傾姿勢で聴く」など、ほんの少し前のめりの姿勢での会話を心がけましょう。

6.腕組をしない

当たり前のことではありますが、保護者と話しているときに腕組をするのはやめましょう。

腕組は「拒絶」を意味し、「あなたの話は聞きません」の非言語メッセージを相手に発します。

考えていただきたいのですが、腕組をしながら話を聴く講師と腕組をせずに前のめりで話を聴く講師、あなたが保護者だとしたらどちらの講師が信頼できますか。

当然、後者でしょう。

もちろん、意識的に腕組をすることは少ないと思います。

しかし保護者からの難しい話をされたり、考えさせらえる話題をされたりしたときに「じっくり考えたい」「それってどんな意味があるんだろう」などの深い思考に入る際、癖として腕組をしてしまう方もいます。

腕組には会話や相手を拒否する目的だけでなく、自分の世界にこもって思考を整理したいときや熟考したいときにもされるしぐさです。

もしあなたがとっさに腕組をする癖を持っているのなら、拒否の意味合いがあることを知り、今日からやめましょう。

7.遮らずに最後まで話を聴く

保護者の話を聴く際に、最後まで相手の話を聴けていますでしょうか。

基本的に話す保護者の話を聴こうと頑張っている講師の方が大部分を占めていると思います。

けれども、保護者の会話の中にはときに支離滅裂で何が言いたいのかがわかりづらい話し方をする方、興奮して話をしていて要点が見えてこない話し方をする方もいるものです。

話がつかめずに、保護者が話をしている最中に会話を切ってしまうと「この人は話を聴いてくれない」「最後まで話を聴かない人だ」と悪い印象や評価につながります。

まずは何が言いたいのかわからない会話においても、ひと段落つくまでは根気強く話に付き合いましょう。

話の腰を折ると、保護者はもやもや感を募らせてしまいます。

興奮して話をしている場合においても、10分、15分程度時間が経てば、会話のどこかで落ち着くときが来ます。

そのタイミングを見計らって、わからない部分を質問したり、伝えたいことをフィードバックしたりすると、保護者から不信感を持たれるのを防止できます。

感情的になった保護者が煽ってくるような話し方をする場面に出くわすこともあるでしょう。

とっさに話をさえぎってでも反論したい心境に駆られるかもしれません。

その場面に関しては、深呼吸を3~5回繰り返しながら話を聴くことをおすすめします。

人の怒りは6秒で消えると言われています。

とっさにムカッと来る事を言われて話をさえぎって言い返してしまい、信頼を損ねるよりも、自身で深呼吸をして落ち着いて最後まで聞く方が信頼を保つことに通じます。

保護者からの信頼を勝ち得るためには、話し方だけでなく「この人なら信頼できる」と思ってもらえる聴き方を習得することが肝心です。

保護者の会話のペースに合わせた会話をしたり、遮らずに話を聴いたりなど、7つの要点をクリアしましょう。

もし7つの聴き方のうちクリアできていない箇所がある場合には、早急に手を打ちましょう。

どのように対処をすべきか悩んでいるのならぜひ当社にお問い合わせください。

専門のコーチをつけている当社が責任をもって、力になります。


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