高いWEB広告費を支払ったものの、思ったよりも反応率が悪く、どのように学習塾の経営をしていけばよいのかと悩んでいませんか。
少子化の影響もあり、新規の塾生を増やすことが難しいと考える学習塾もきっと多いことでしょう。
経営上の不安からWEBでしっかりしたHPを作成してもらったり、広告を打ったり、DMを送ったりなど創意工夫をしても、思ったような生徒増にならないと悩みは増すばかりです。
生徒の集客や売り上げに関して不安な点があるのなら、そもそも取り組んでいるWEBに頼った集客戦略自体が間違っているかもしれません。
私たちはWEBに頼らず、「自然に生徒が集まる塾づくり」をコンセプトに、塾生が100名以下の中小の学習塾に経営コンサルティングを提供しています。
私たち自身の経験や学習塾の現状を踏まえ、「WEBに頼らない生徒募集」についてお伝えします。
■「高い広告費=集客」は間違い
まず1つお尋ねしたいことがあります。
高い広告費をかければ、広告費の分だけ生徒数が増えるとの思い込みはありませんか。
確かにWEB広告を出すことで、検索エンジンの上位に表示され、ターゲットとなる保護者の目に触れる機会は増えます。
しかし目に触れる頻度が増えたとしても、広告費を出したわりに効果が出ないというオチは往々にしてあります。
その理由は大きく4つ考えられます。
■広告費のわりに塾生が集まらない4つの理由
1.少子高齢化で子どもの数が減少
1つ目は「少子高齢化で子どもの数そのものが減少している」からです。
テレビや新聞などで流れているように、現在の日本は少子高齢化社会です。
内閣府の公開する合計特殊出生率によると、現在の団塊世代のいる「第1次ベビーブーム(1947~1949年)は4.3」でしたが、「1989年(平成元年)には1.57」に低下し、「2005年には過去最低の1.26」まで落ち込み、「2016年は1.44」とほぼ横ばいの数字です。
内閣府の出生率の推移を見ると、今後も大きく子どもの数が増えるとは言い難いでしょう。
学習塾に通うのは小学生、中学生、高校生の「子どもたち」です。
子どもの総数が減っているということで、学習塾業界自体が成長期を過ぎ、マイナス成長している市場といえるでしょう。
子どもの数そのものが減るということは、少ない子どもを自分の塾に入れようと学習塾間での競い合いが生じます。
その結果、昔のようにDMやWEB広告のようにWEB集客に力を入れても反響が出ない現状があります。
しかし学習塾自体の市場は年間1兆3,000億円程度で推移しています。
子どもの総数自体は減少していますが、子どもが学習塾に通う子供の割合で言うと伸びているといえるでしょう。
家庭内の子どもの数が減ることで、子ども一人当たりにかけられる教育費はむしろ増えているところがあります。
以上を踏まえて、工夫次第で学習塾への入塾生を増やすこと自体はできます。
2.知名度の高さで大手塾に勝てない
2つ目は「知名度の高さで大手塾に勝てない」からです。
広告費をかければインターネット上で上位に表示もでき、魅力的なホームページでアクセス自体を増やすことはできるでしょう。
しかし事実をもとに「80%以上の生徒が志望校に合格」「偏差値15以上アップした塾生の声」などとうたっていても、申し込みや問い合わせの際に「本当かな」「大丈夫かな」と不安な気持ちに駆られて、申し込みにつながらないことも懸念されます。
保護者にとって魅力的なホームページであっても、大事なわが子を通わせる塾に対しては「信頼性」が大事であり「裏付けできるもの」がWEB上では見出しづらいものです。
具体的な数字や実績を打ち出しても、体験授業ようにリアルで学習塾の魅力を伝えるのと比べるとweb広告は難しさがあります。
WEB上では塾の雰囲気や講師の人柄などの人的な魅力を対面時ほどは伝えきれないからです。
結果的に「知っている塾の方が安心」と知名度の高い大手塾に流れてしまいます。
WEBを活用しても、「この塾にお願いしたい」と意思決定を促すのは容易ではありません。
3.安心・安全なものを買いたい心理
3つ目は「安心・安全なものを買いたい心理」によるものです。
すべての人は安全かどうかが不確かなものは避けたいという思考が働いてしまいます。
1つ例を出しましょう。
あなたはうがい薬を買いたいと思ってドラッグストアに行ったとき、店頭に「モンダミン」と「ヤンダモン」という2つの商品があったら、どちらの商品を購入しますか。
おそらく大多数の人が聞いたことのない「ヤンダモン」よりも何度も聞いたことのある「モンダミン」を手に取ると答えるのではないでしょうか。
人は何度も繰り返し見聞きしたものに対して好印象を抱きます。
そこで大手企業では多額の広告費を投資して何度もテレビCMを打ちます。
あるいは目につきやすい駅の中吊り広告や実店舗などで大々的な広告を掲載などをすることもあるでしょう。
繰り返し見聞きすることで「信頼できる」と判断します。
これは心理学でいうところの単純接触効果によるものです。
単純接触効果とは、別名「ザイアンス効果」といいます。
接する機会が多いほど好印象を抱くことを指します。
大手企業の場合には潤沢な広告費用があるため、伝えたいユーザーやターゲットに対して繰り返し商品やサービス名を目に見えるところに表示させることで、良い印象を与えることができるのです。
これは実際にモノを扱う商品だけに言えることではなく、サービスを扱う場合においても一緒です。
学習塾の場合には、サービスに該当します。
しかし中小の学習塾においては、そこまでの広告費の捻出は厳しいでしょう。
まだ経営が軌道に乗っていない塾だけでなく、損益分岐点を越えて、黒字化している学習塾であったとしても、大手塾ほどの広告費を捻出することは現実的ではありません。
つまり、広告費による単純接触効果では大手塾には及ばず、予想していたほどの塾生の増加を見込めない結果をもたらします。
4.第三者を意識する保護者の存在
WEB広告やチラシのポスティング、新聞の折り込みチラシやDMなど、新規塾生を増やすために保護者に向けた集客方法は複数あります。
しかし、HPを作ったり、広告を掲載したりするだけで保護者が塾を決めることはありません。
それが3つ目の理由「第三者を意識する保護者の存在によるもの」です。
あなたはWEB上で「○○高校に入学者が毎年10名以上出ています」と書かれているのと、同じPTAのママ友から「ねぇ知っている?うちの子の通っている□□塾、毎年10名以上も○○高校に入学しているのよ」と聞かされるのとでは、どちらが信用できますでしょうか。
おそらくほとんどの人が後者でしょう。
いまやWEB上には嘘か本当かわからない情報が溢れかえっています。
インターネットで調べたいことを打ち込めば、ずらりに数千、数万件の情報が検索エンジンに引っかかって表示されます。
情報過多な現代において、WEB上の情報だけで塾を決める保護者はほとんどいません。
一方で、今も昔も口コミの力はとても強力です。
人は当事者から直接情報を聞くよりも、第三者からの情報の方を信用を増す特徴があります。
心理学ではウインザー効果といい、今なお口コミ情報が重宝される理由の1つでもあります。
WEBで生徒を新規で集めようと書いている時点で当事者としての情報になります。
客観的にいくら書いたとしても自社HPの文言やチラシでは多くの保護者の心は動かず、広告費の割に効果が出ない結果に結びつくのです。
■WEBに頼らない生徒募集のすすめ
費用を投資して広告を打っても、DMや新聞折り込みチラシを作成しても、上記のような理由によって期待した通りの結果は得づらい現状があります。
そこで私が提案したいのが「WEBに頼らない生徒募集」です。
「今どきWEBに頼らない生徒募集が実現するのか」「本当にWEBに頼らない生徒募集なんてできるのか」と不安視する学習塾の経営者の方もいるかもしれませんね。
しかし先ほど伝えた心理学の理論「ウインザー効果」のように、自身でひたすら学習塾をおすすめするよりもアナログ式のface to faceでの口コミの方が信頼が増します。
情報が多い現代だからこそ、確かな情報を求める保護者は決して少なくありません。
デジタル化された現在はWEB集客ではなく、リアルの力を十分に生かし、自然と生徒が集まる学習塾の経営が大切なのです。
もちろん、自然と生徒が毎月のように増えていく学習塾の経営には「しかけ」が必要です。
魔法ではないのですから、自然と生徒が集まるように創意工夫をし、しくみ化しなくてはいけない部分も多数あります。
■WEBに頼らない生徒募集に欠かせない5つの要素
自然と生徒が集まるような学習塾の経営をするためには、WEBに頼らなくても生徒募集ができる5つの要素を押さえましょう。
1.保護者の信頼をしっかり得ること
1つ目の要素は「保護者の信頼をしっかり得ること」です。当たり前のことですが、学習塾の費用をお支払いするのは保護者です。
保護者からの信頼無くして、塾生が増えることはあり得ません。
多くの場合、保護者は学習塾の実績や口コミなどを調べ、納得した上で入塾の手続きとなります。
大事なわが子のことなので、決して直感や子供の意見だけをうのみにして決めることはありません。
その点で、実際に学ぶのは生徒ですが、保護者からの信頼を得ることが大事なことです。
2.生徒から信頼を得られていること
2つ目の要素は「生徒からの信頼が得られていること」です。
毎月の学習塾の費用を支払うのは保護者ですが、実際に通うのは生徒です。
保護者からの信頼を得たことで入塾が決まったとしても、実際に通う塾生が担当講師に対して「この先生はダメだ」「質問してもよくわからない」と不信感を持てば、退塾につながっていきます。
それでは自然な集客どころではありません。
生徒が「この塾なら大丈夫」「この先生から話を聞こう」と信頼を寄せている状態へと持っていきましょう。
信頼を勝ち取り、前向きな姿勢を持つことができれば、学力アップや継続的な塾通いに通じていき、周囲の評判が上がる1つの要因にもなっていくでしょう。
3.生徒・保護者から満足感を得らえれていること
3つ目の要素は「生徒・保護者からの満足感が得られていること」です。
生徒と保護者の求める要素は必ずしも学力アップや志望校合格だけとは限りません。
当社ではコーチによるコーチング指導も取り入れていますが、生徒のニーズや課題がいかに多様化しているかを思い知らされる節もあります。
多感な年頃ゆえにさまざまな悩みを持ちながら、勉強しています。
単に学力アップを促せば満足するわけではありません。
その中で良質なコミュニケーションをとり、「この塾に来てよかった」「ここの塾なら絶対におすすめ」と通っている塾生や保護者がお墨付きを与えてくれる状態に持っていくことで、自然と生徒が集まる状態の土台作りができます。
4.担当講師による確かな指導力
4つ目の要素は「担当講師による確かな指導力」です。必ずしも生徒のニーズが学力アップだけに限らない話はお伝えしましたが、塾に通っているにもかかわらず、成績が下がったり、学力が変わらない状態が続いたりすれば「別の塾の方がいいかもしれない」と転塾を検討されてしまいます。
学習塾である以上は、担当講師のスキルアップや指導力、わかりやすい説明能力など、磨いていくことが必要不可欠です。
5.自然と集まる塾の運営方法
5つ目の要素は「自然と集まる塾の運営方法」です。
WEBに頼らない集客を実現するために「運営方法の工夫」「自然と集まるしくみ化」をしっかり構築することも欠かせません。
当社ではドラッカーのマネジメントを通じた組織づくりや誤解を防ぐコミュニケーション法などを導入することで、満足度と信頼度が高まり、自然と生徒が集まる学習塾の運営をしています。
高い広告費で集客できるは間違いであることやWEB広告を出したけれど反応率が悪く、塾生が集まらない4つの理由などについて解説しました。
本当に保護者や生徒のことを思っている学習塾が自然と生徒が集まるためには、WEBに頼らない生徒募集をしていくことが大事です。
それを実現するためには、WEBに頼らない生徒募集ができる土台や仕組みを整えることが不可欠です。
当社では自然と生徒が集まる学習塾経営をコンセプトに塾生が100名以下の中小の学習塾に経営コンサルティングをしています。
今回お伝えしたWEBに頼らない生徒募集の方法は、実際にコンサルティング時にお伝えしていることのごく一部にすぎません。
より詳しく知りたい方はぜひ下記よりお問い合わせください。